KNOW
誤解される危険のある「間違い英語」。ネイティブには伝わらない英会話表現!

ネイティブと英会話をしているときに、びっくりされたり、なんだか誤解されていると思ったことはありませんか?
文法的には間違いではないのに、誤解を招く表現があります。
また、英語だと思ってそのまま使うと、英語ではまったく意味の異なる和製英語もあります。
今回は、そんなよくある間違い英語をピックアップしてご紹介します。
失礼かもしれない英語表現
“who”“what”を使った疑問文は、ぶっきらぼうに聞こえる!?

自身にそんなつもりはなくても、ネイティブにとっては失礼に響く英語表現になってしまうことがあります。
例えば、“who”“what”を使った疑問文。
情報伝達に欠かせない疑問詞と言えるでしょう。
しかし、これらの疑問詞を使った質問は表現がダイレクト過ぎて、失礼に聞こえてしまうことがあります。
例えば名前を尋ねたい場合、“Who are you?”“What's your name?”を使うと、口調によっては「あなた誰?」「あなたの名前は何?」とぶっきらぼうに聞こえてしまうことも…。
そんな事態を避けるためには、“Can I have your name?”(あなたのお名前をうかがえますか?)などのように、丁寧な表現をつかって聞くのがベターです。
さらに、ビジネスシーンでは“Can”の代わりに、“Could”や“May”を使って、“Could/May I have your name?”(あなたのお名前をうかがってもよろしいですか?)と、フォーマルな表現を心がけましょう。
ほかにも、相手の英語が聞き取れなかったときに“What?”(何?)を使うと、語調によっては「なんだって?」とぶっきらぼうな言い方になります。
このときには、“Excuse me?”“(I'm)Sorry?”“(I beg your)pardon?”を使うと良いですよ。
“please”をつけても丁寧ではない!?
「お願いします」を意味する“please”を英文につけると、丁寧な表現になると思っていませんか?
“Please reply by e-mail.”(メールでご返信ください)のように、命令形の前後に“please”をつけた英文は、丁寧な言い方ですが命令文です。
つまり、「メールをしなさい」といったきつい言い方ではありませんが、相手が断ることを前提としていない、押しつけや上から目線な言い方に聞こえてしまうこともあります。
“Can you ~?”を使って、“Can you reply by e-mail?”(メールでお返事してくれますか?)と言うと、相手の意思が尊重されるので丁寧な言いまわしになります。
ビジネスシーンでは、さらに丁寧な“Could you ~?”や“Would you ~?”を使って、“Could/Would you reply by e-mail?”(メールでお返事いただけますか?)と、フォーマルな言い方をしてみてはいかがでしょうか。
“I want to”は子どもっぽい!?
“I want to ~.”を使った“I want to ask you a question.”(質問したい)という文章は、「~がほしい」「~がしたい」と自身の要望や希望をストレートに表現する言い方です。
家族や友人など親しい間ではよく使われますが、丁寧さの感じられない、比較的子どもっぽい表現に聞こえます。
やわらかい表現で言いたいときには、“want”の代わりに“would like”に変更し、“I'd like to ~.”(~したいのですが)を使って“I'd like to ask you a question.”(質問したいのですが)などのように言うと良いでしょう。
“I'd like to ~.”の表現は、“I'd like to have a cup of tea.”(お茶を一杯ほしいのですが)のように、お店やレストランのスタッフにお願いをしたり、注文したりするときにも、よく使うので覚えておくと便利です。
しかし、“would like”は“want”に比べて丁寧な言い方ながら、前述の“please+命令文”と同様に、こちらの要望や希望を一方的に伝える表現です。
もっと丁寧な表現が必要なときには、相手の意思を尊重できるよう“Can I ~?”を使って、“Can I ask you a question?”(質問してもいいですか?)が良いでしょう。
ビジネスシーンでは、“Can I ~?”のフォーマルな言い方である“Could I ~?”や“May I ~?”を使い、“Could/May I ask you a question?”(質問をしてもよろしいでしょうか?)の言いまわしが一般的です。
“I don't know.”はそっけない!?
外国人に突然、話かけられて、とっさに“I don't know.”(分かりません)と答えた経験はありませんか?
実は口調によって、「知るわけない、なんで答えなきゃならないの」「知らないよ、興味もない」といった、そっけない返事に聞こえてしまうこともあります。
「考えたけれども、分からない」という意味を込めて伝えたい場合は、できるだけ申し訳ない口調や表情で言うと良いでしょう。
また、“I don't know.”の代わりに、“I'm not sure.”や“I have no idea.”を用いると、「答えたいけれど、“sure”(確信がない)/“no idea”(思いつかない)ので答えられない」という意味になるので、やわらかく聞こえます。
ほかにも、“I don't know.”などの前に、“I'm afraid”や“I'm sorry”をつけて、“I'm afraid I don't know.”(残念ながら、分かりません)や“I'm sorry I have no idea.”(申し訳ありませんが、思いつきません)のような英文にすると、より丁寧な表現になります。
日本語から英語への直訳に要注意
否定疑問文で、“Yes”と答えると……?

“Don’t you think so?”(そう思いませんか?)と聞かれて、どのように答えますか?
日本語では、「はい、そう思いません」「いいえ、そう思います」と答えるでしょう。
そんな日本語の感覚のまま「はい(そう思いません)」のつもりで“Yes”と言ってしまうと、相手は「そう思います」と自分の意見に同意したと勘違いしてしまいます。
というのも日本語では、ふつうの疑問文「そう思いますか?」の時は、答えが肯定なら「はい(そう思います)」、否定なら「いいえ(そう思いません)」という言い方をします。
しかし、否定疑問文「そう思いませんか?」と聞かれたときは、答えが肯定なら「いいえ(そう思います)」、否定なら「はい(そう思いません)」と言いますから、そのまま英語にしたときに混乱が生じます。
英語では、ふつうの疑問文“Do you think so?”であれ、否定疑問文“Don’t you think so?”であれ、答えが肯定(そう思う)の内容なら、シンプルに“Yes(, I do).”、否定(そう思わない)の内容なら、“No(, I don’t).”と言えばいいのです。
「Yes=はい」「No=いいえ」という概念を払拭することです。
否定疑問文は、確認をしたり、文脈によっては意外な気持ちや不満、じれったさなどの感情も表しますので、使うときには気をつけましょう。
“Don’t you like my plan?”(私の計画が気に入らないの?)などは、「不満」のように響きます。
またYes/Noを間違いやすいものに、動詞mind(気にする)を使った“Do you mind my asking the reason for that?”(その理由をお尋ねしてもいいでしょうか?)などの疑問文があります。
OKするときは、“No, not at all.”(いいですよ)となります。
「はい」のつもりで、“Yes.”と言ってしまうと、「気にするからダメ」という、反対にお断りの意味になりますので、注意しましょう。
トイレを“borrow”を使って、貸してくださいと言うと…?
本をはじめ、何かを貸してほしいときには、英語でも日本語の「貸す」にあたる“borrow”を使って、“Can I borrow your book?”(本を貸してくれませんか?)と言うことができます。
一方、友人宅などでトイレを利用したい場合も、日本語では「トイレを貸してもらえますか?」「トイレをお借りできますか?」とよく言います。
英語に直訳すると、“Can I borrow the bathroom?”となりますが、「友人宅などで」という前提がありますので、通じると思います。
単に日本人が間違った英語を使ったと思うだけで、ポータブル式トイレなどをイメージすることは考えられません。
というのも、“borrow”は、「借りたものを使用し、後から返す」という意味があるからです。
この場合は“borrow”の代わりに“use”(使う)を使って、“Can I use the bathroom?”と言いましょう。
“borrow”と“use”の使いわけのポイントは、設置されているものかどうかです。
固定電話やコピー機、空いている部屋など、設置されているものや動かせないものについては後者の“use”を使いましょう。
うっかり直訳の“borrow”を使うと、固定電話の電話機やコピー機、部屋を持ち出すイメージを持たれて、相手を驚かせてしまうかもしれません。
“mansion”(マンション)は大邸宅!?
自宅のことを聞かれて、「マンションに住んでいます。」と言うつもりで“I live in a mansion.”と言うと、ネイティブからはびっくりされるでしょう。
“mansion”は英語で、セレブが住むような「大邸宅」「豪邸」を意味するからです。
「マンション」という言葉は、日本で1960年ごろに住宅業者が高級感をうたって使い始め、現在では中高層アパートや分譲の集合住宅のことで使われるようになりました。
典型的な和製英語と言えるかもしれません。
英語では賃貸のアパートやマンションを“apartment(アメリカ英語)”や“flat(イギリス英語)”、分譲マンションを“condominium(略して“condo”)”と言うようにしましょう。
ほかにも和製英語には、お菓子の「シュークリーム」は“shoe cream”(靴クリーム)、食べ放題の「バイキング」は“Viking”(8~10世紀ごろのスカンジナビアの海賊)、文句を言う「クレーム」は“claim”(主張、要求)など、日本語の意味でそのまま使うと誤解される言葉もたくさんあるので注意をしたいものです。
ちなみに、「シュークリーム」は“cream puff”、「 バ イ キ ン グ 」 は“(all-you-can-eat)buffet”“smorgasbord”、「クレーム」は“complaint”と英語では言うようにしましょう。
ほかにも、「SNS」「ノートパソコン」「ピーマン」などのように、意味がまったく通じない和製英語も案外、数多くあります。
挙げた例を英語にすると、“social media”“laptop(computer)”“greenpepper”になります。