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40カ国以上を旅した女性バックパッカーが、旅をするようになったワケ

みなさん、初めまして。
会社員時々バックパッカーの岸本くりすてぃーなです。
普段は週5で働く会社員ですが、長い休みがあるとバックパックを背負って1人で世界中をウロチョロしています。
旅先では、現地の人の家に泊めてもらったり、ヒッチハイクをしたりと自由気ままな旅をしています。
2020年のお正月は、砂漠で年を越したいと思い立ち、チュニジアのサハラ砂漠のど真ん中でラクダと一夜をともにしてきました。
旅に行くときは基本的にノープラン。
現地で宿を探したり、行くところもそのときの気分次第というのが現在のスタイル。
でも、普段の私は、そんなにアグレッシブな性格ではありません。
なのにどういうわけか、バックパッカーのときは違うのです!
自己紹介を兼ねて、週5で働く会社員の私がバックパッカーにはまったワケをお話しします。
バックパッカーへの道のり
インドネシアのバリ島へ 初めてのひとり旅

2007年7月
初めてのひとり旅で、私が選んだ旅のスタイルは「おひとり様パックツアー」。
現地に到着したら、空港で私だけの専属ドライバーと日本語が話せる現地ガイドがお出迎え。
ホテルまで安全に送り届けてもらえるし、自分で調べなくても効率よく観光スポットに連れて行ってくれるからめちゃめちゃ楽!しかもお客は私1人!なので、かなり自由が利くと思っていました。
観光地で遭遇した、想定外のできごと
ガイドさんに連れられて向かったのはバリ島ウブドにある夕日スポットでもある、神秘的な「タナロット寺院」。
観光客に大人気の場所だとガイドさんに説明してもらいながら歩いていたときのこと。
メイン通りと思われる広い道を、数百人規模の人が埋めつくしていました。
前に進もうにも全然歩けないし、まっすぐにも進めない!
そこにいたのは、眩しいくらいカラフルな民族衣装のようなものを着た現地の人と若干の観光客。
男性は、数十メートルはありそうな山車を引いたり神輿をかついだり、伝統楽器のようなもので賑やかに音を奏で、女性は、果物などが入った大きなカゴを頭に乗せ、絶妙なバランスを保ちながらワイワイ楽しそうに歩いていました。
日本でいう、祇園祭りやだんじり祭りのような光景でした。
運よくこんな素敵なイベントに遭遇でき、テンションがあがった私はガイドさんに
私「これ、有名なお祭りですか?」
ガイド「いいえ、お葬式です。」
「え……。えぇー!えぇぇーー!お葬式??嘘でしょ……。なんでみんな笑ってるの??」
日本では決して見ることがない、まるでお祭りのようなお葬式に、私は衝撃を受け興味津々。
ちょっとだけ見たい、いや、なんなら寺院よりもお葬式が見たい!!そう思ってしまいました……。
しかし、そんな私の気持ちを知ってか知らずか、スタスタとタナロット寺院へと急ぐガイドさん。
後ろ髪を引かれる思いで何度も振り返りながらその場をあとに。
無事にガイドさんのおかげで、大人気観光スポットであるタナロット寺院の幻想的な夕景を見ることができましたが、
「なんか思っていたのとちがう……」
日本語を話す専属ガイド付きで、安心安全に効率よく観光できたのは本当によかったけど、自分が一番興味を引かれたお葬式を見ることができなかった。
若干の不自由さと物足りなさを感じました。
完全フリー 初めてバックパッカーとしてのひとり旅
自分の興味があるものを見ることができなかった不自由さを経験した私が、次に選んだ旅のスタイルは
「完全フリー&バックパックでのひとり旅」
場所は、タイのプーケット!
航空券と宿だけを決め、その他はノープランで行ってみました。
初めてのノープラン旅、何をしていいのか、どこへ行ったらいいのか困っていた私は宿のオーナーに相談してみることにしました。
オーナーはいくつかオススメスポットを教えてくれました。
その中で、私が選んだのは日本では経験のできない「象トレッキング」。
象トレッキングとは、大きな象の背中に乗ってプーケットの大自然の中を散策する観光客に大人気かつ満足度の高いアクティビティの1つ。
オーナーは親切にも知り合いの象園まで連れて行ってくれました。
パックツアーには入っていないような現地感満載の穴場で、日本人は私だけ。
まして他の観光客もいない!
日本人かつ、女性1人でやってきたのが相当珍しかったようで、象使いやスタッフの男の子たちに色々と親切にしてもらい、私は人生初、本場タイでの象トレッキングを満喫。
その後、象園の中を案内してもらったり、日本のことについて興味をもっていた彼らと時間を気にすることなく話をして仲良くなりました。
この頃の私の英語力は中学生レベルで、しかも単語でしか話せず、めちゃめちゃもどかしかった。
でも、必死でコミュニケーションをとって通じ合ったときの感覚は、今まで味わったことがないくらい最高に嬉しいものでした。
大満足した私が、お礼を伝えて帰ろうとしたときのこと。
さらなる展開が待ち受けていました。
スタッフの一人が
「一緒に夜ごはん食べよう!」と。
「OK!」と二つ返事の私。
今思い返しても、なぜ躊躇しなかったのか、なぜ怪しまなかったのかも分かりません。
自分でも不思議でしょうがない。
まさに直感!
昔からアグレッシブな性格ではないけれど、決められたレールの上を歩くのは苦手なうえ好奇心だけは旺盛で、この時は、この先になにが起こるか分からないことにワクワクしていたのかも。
でも、彼のボッロボロで年季入りまくりで、廃車になるレベルのバイクにまたがってから急に不安が募りだしました。
ヘルメットは、もちろんなし。
走り出しても速度メーターの針は、0㎞から微動だにせず。
潔く返事したからには、いまさら断ることもできず。
私を乗せたバイクはそのまま、街灯ひとつない真っ暗な海沿いの道路を爆走。
到着したのは、よく言えば「海の家」のようなレストランでした。
砂浜に並べられたチープなプラスチックテーブル、そこで食べているのは現地の人とたくさんの野良犬たち。
私たちも同じように野良犬たちに囲まれて食べました。
(正直めっちゃ怖すぎて、味なんかほとんど覚えてない……)
野良犬の恐怖やバイクでの恐怖体験を思い出し、変な緊張感に包まれながら食べていた私を前に、彼はなぜか楽しそう!
怖そうな見た目からは想像できないくらい、キラキラ輝いた目で「日本のこと、なんでもいいから知りたい!教えて!」と私に質問攻め。
彼も初めての日本人を前にワクワクしていたのだと思います。
でも残念ながら、私の返答は片言の単語を並べる程度。
彼の質問にきちんと答えることができなかった。
申し訳ない気持ちと伝えられないもどかしさでいっぱいでしたが、それでも彼からは「ありがとう!!日本のことが知れて嬉しい!」と感謝されました。
英語は話せた方がいい。
でも、完璧よりも伝えようとする気持ちはもっと大事!そう思いました。
この時プーケットで体験した全てが、日本では考えられないことの連続で、自分が今まで見てきた世界だけが当たり前じゃないんだと気づかされました。
そして、ここに誕生!
「会社員時々バックパッカー」
私にとっては純粋に楽しくて、ワクワクした初めてのフリーひとり旅。
ここプーケットでの旅を皮切りに、それ以降どんどんひとり旅をするようになったわけです。
バックパッカーの魅力
実体験から感じるバックパッカーの魅力とは

旅のスタイルは、いっぱいあるけれど、私の実体験から感じるバックパッカーの魅力はコレ!
全部じゃなくても、1つでも共感できたら、あなたもバックパッカー予備軍かもしれません。
●すべて自分の意志で行動できる
プーケットでの体験では、宿のオーナーが教えてくれたオススメスポットの中から、「象トレッキング」を自分で選んだこと。
そして、象園のスタッフに誘われ、一緒に夜ごはんを食べようと決めたこと。
その時の自分の気分や体調次第で、どこに行くか、なにをするかを決められる。
もちろん、なにもしないという選択肢もあるんです!
●誰にも縛られない自由度
24時間、いつだって自分だけの時間。
「なに食べる?」
「次、どこ見る?」
「何時に出発する?」
無理して人に合わせたり、誰かに相談する必要なんて一切ないのです!
●なにが起きるか予測できないワクワク感
廃車寸前のバイクに自分が乗ることになったり、ヘルメットなしでバイク走行できる国があったり、野良犬たちに囲まれて食事をすることになったり……。
始めは、ノープランでどうなるか不安だったけど、そのおかげで未知の世界が体験できた!
日本にいたら、きっと(いや、絶対)経験できないことばかり。
だから私は、ワクワク感が止まらず、ちょっぴりお得感まで感じちゃいました!
●ネットにはない生の情報を見聞きできる
まず私の場合は、タトゥーに対する考え方の違いに衝撃を受けました。
日本だと、あまり馴染みのないタトゥーだけど、彼らにとってはオシャレの1つとのことで、私たちが髪の毛を染めるような感覚と一緒だと聞きました。
現地に行って、そして現地の人とコミュニケーションをとることで得られる情報に勝るものはないと感じました。
●なんせ身軽に動ける
私の旅スタイルは、バックパック(リュック型)!!
石畳も階段も、未舗装の道路を歩くときもヒョイと担げばらくらく移動ができ、両手も空くからなにかあったときも安心。
そしてなにより、走れる!!これは、選んだ理由の中で結構ポイント高いかも。
こういうことを自分で発見したり体験する度に、ワクワクが増し、私はバックパッカーの虜になってしまったのです!
私のバックパッカーポリシー7ヶ条
バックパッカーは、もちろん楽しいことばっかりじゃないのが現実。
例えば
基本、言葉の壁があるし交通機関が時間通りに来ないのは日常茶飯事。
他にもタクシーでボッたくられたり、突然ストライキ発生で電車がなく帰る手段を失ったり、シャンプーしているときに、急にお湯から水に変わったり、Free Wi-Fiが全く飛んでいなくて連絡手段が閉ざされたり……と、いろんなことが起こります。
でも、私は良いこともそうじゃないことも全部ひっくるめてワクワクしちゃうのです!
なぜって言うと、日本で生活しているときっと味わえない、貴重な体験ばっかりだから。
そんな私が、ワクワクするために心掛けているポリシーを7つ紹介したいと思います!
[くりすてぃーなのバックパッカーポリシー7ヶ条]
1. 旅の計画は常に白紙
2. とりあえず、現地入りしたら人間観察
3. やっぱり基本。笑顔で挨拶
4. 現地の生活スタイルに逆らわない
5. Free Wi-Fiを駆使
6. 会話の途中で諦めない
7. 現地の人の買い物スタイルを真似る
各ポリシーの体験談は、次回以降の連載で紹介していくので、ぜひお楽しみに!