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ビジネス英語で「どういたしまして」はどう表現する?仕事やSNSでの使い方

日本人が「すみません」を多用するように、英語圏の人々は日常においてもビジネスシーンにおいても"Thank you."をよく使います。
"Thank you."に返す言葉「どういたしまして」も同様に会話によく出てきます。
「どういたしまして」は"You're welcome."以外にも表現があります。
今回は「どういたしまして」の英語表現についてお伝えします。
「どういたしまして」の日本語の意味と使い方を改めて考えてみる
そもそも「どういたしまして」とはどういう意味?
お礼を言われると自然と口をついて出てくる「どういたしまして」は、そもそもどういう意味でしょう。
あまり意識をしたことがないと思いますので、まずその成り立ちを確認してみましょう。
「どういたしまして」は文法的には次のような構成となっています。
どう(状態を表す副詞)+いたす(するの謙譲語)+ます(丁寧語)+て(反語を表す終助詞)。
「私がどんなことをいたしましたか?いいえ何もしておりません」が本来の意味で、転じて「何もしていないので気になさらないでください」という意味合いで使われています。
「どういたしまして」が失礼にあたる場合も

「どういたしまして」を目上の人に対して使うのは失礼とされています。
例えば、取引先の社長に「わざわざ来てくれてありがとう」と言われ「どういたしまして」と答えるのは間違いです。
上司など、目上の人に使う場合は「どういたしまして」はやや上から目線で、「してあげた」という印象を与えてしまう可能性があります。
そのため、目上の人に対して言う場合は「お役に立ててうれしいです」などが適切です。
英語にもこれらに対応する表現があります。
感謝の言葉に応えるいろいろな表現
"You're welcome." は言葉を足すと丁寧さが増す
相手の心づかいに対してお礼を述べることは、とても大切なマナーです。
それに対して気配りの言葉を返すことで、円満な人間関係を築くことができます。
英語でお礼を言われたときの決まり文句として、日本人がすぐに思い浮かぶのは"You're welcome."でしょう。
この"You're welcome."は言葉を足すことによって丁寧さが増します。
"You're very welcome."
"You're more than welcome."
"You're most welcome."
"very"や"more than"、"most"を加えると、"welcome"が強調され、日本語の「とんでもないことでございます」に近い、とても丁寧で心のこもった響きとなり、目上の人にも失礼にあたりません。
ビジネスにふさわしい丁寧な言い方
"You're welcome."のほかに、どのような「どういたしまして」の表現があるでしょう?
ビジネスシーンで使える丁寧な表現として、まず覚えておきたいのが"My pleasure."という言い方です。
"pleasure"は「喜び」「楽しみ」という意味で、「私こそ楽しかったです」「あなたのお役に立てたことは私の喜びです」といった意味になり、とてもポジティブな表現です。
"It's my pleasure."は、より丁寧な言い方となり、過去形にして"It was my pleasure."とすると、さらに丁寧になります。
"my"を"our"に変えると、複数の人を代表しての「どういたしまして」となります。
"It's all my pleasure."も温かみのある表現です。
ただ「私の喜びである」というからには、やって当たり前の仕事や、取るに足らない事柄に使うのは向いていません。
また、"I'm happy to help."「お役に立ててうれしいです」もビジネスの場面ではよく使われる丁寧な言い方です。
同じような言い方ですが"I'm glad I could help."は、"could"を使うことによって「もしお役に立てたのなら」という仮定的なニュアンスになるため、低姿勢で丁寧な印象を相手に与えます。
"Not at all."はイギリス人がよく使う言い方で、直訳すると「全く~ない」で、「全然気にすることないですよ」という意味になり、「とんでもないことです」に近いニュアンスになります。
関連記事:ビジネス英語で「いつもお世話になっております」はメールでどう表現する?
SNSで使えるカジュアルな表現

最近は、リアルタイムにやりとりができるSNSでのコミュニケーションが盛んになっています。
あまり堅苦しくならず、気軽にコミュニケーションを楽しめるのがSNSの魅力です。そこで「どういたしまして」のカジュアルな言い方も覚えておくと便利です。
"Anytime."の一言を、親しい相手に「どういたしまして」「いつでもどうぞ」といった意味合いで気軽に使うことができます。
"Anytime. I'm happy to help you."とつなげると、「いつでも喜んでお手伝いしますよ」となりますので、”Anytime“ひと言より親切な言い方になります。
"Don't mention it."もおなじみの表現です。
"mention"は「言及する」という意味なので「そのことは言わないで」というのが本来の意味ですが、「お礼を言われるほどのことではないよ」といったニュアンスで使います。
"No problem."「問題ないよ」や"It was nothing."「なんでもないよ」"Don't worry about it."「気にしないで」なども「自分にとっては、たいしたことではないので気にしなくていいですよ」と相手に対する気づかいが感じられます。
"My pleasure. It was no problem."というように組み合わせて使うこともあります。
また、"No problem."の代わりに"No worries."という表現を使うこともあります。
"Sure."は「もちろん」という意味ですが、これは「当然のことをしたまでだよ」というような意味となります。
"Sure, no problem."、"Sure, anytime."というように合わせて使うこともできます。
"You bet."は「もちろん」ですが、アメリカの口語的表現で「どういたしまして」の意味でも使います。
"Cheers."はくだけた表現です。
もともとは「乾杯」という意味ですが、別れのあいさつや「ありがとう」「どういたしまして」という場合にも使います。
場合によってはこのように、短い言葉でサラッと言うのもスマートです。
上にご紹介したフレーズは「どういたしまして」と訳されることが多いですが、微妙にニュアンスが異なりますので状況に応じてふさわしい言葉を選びましょう。